車中泊の歩き旅

60代自由業。お金はなくても、時間と体力がある今こそ青春。

四国遍路23日目(観自在寺→岩松駅)

10月27日(金)・23日目

約25Km 35,427歩

 観自在寺岩松駅宇和島バス

 

7時半頃、観自在寺を出発。その後、悪い癖でまた足の速い人と競ってしまい脚力を消耗した。

柏地区に入って旧遍路道(柏坂越え)を進むと、標高500m近い山道を歩かなければならない。このルートは次回の楽しみにとっておき、国道56号線を歩いて迂回した。

内海トンネルは車道と歩道が分かれており、安全で歩きやすかった。

トンネルに入る少し前の室手海岸付近で、車に乗ったご婦人からミカンと飴のお接待をいただいた。

トンネルを出ると美しい海岸線が広がり、須ノ川やグリーンパークキャンプ場の前を通る。

鳥越トンネルを過ぎ、宇和島市(旧津島町)に入る。

この山の稜線に、清水大師・柳水大師を通る柏坂越えの遍路道があると思われる。この高さはかなり大変だ。

対岸の家々を見ると、遠目には伊根の舟屋(京都)と見紛うような光景だったが、船は係留されているだけで舟屋ではなかった。

写真ではわかりにくいが、信号機の看板も

郵便局の看板も「嵐」だ。

ファンでもないのに、ついつい立ち止まってしまった。

嵐坂隧道も、内海トンネルと同じく歩行者専用トンネルがあった。

トンネルを過ぎて芳原川沿いを歩き、大きなリュックを背負った同年代のお遍路さんに「お先に失礼します」と言って颯爽と追い抜く。

こちらはボディーバックだけなので、関西弁で「えらい軽装ですな」と嫌味を言われた。歩き遍路が重いリュックを担いで野宿することだけが修行ではなく、世知辛いこの世を生き抜くのも立派な修行である。

14時過ぎのバスで、宇和島バス若松駅から観自在寺の札所前バス停まで戻った。

先ほどすぐ前の国道を歩いた「ゆらり内海」で入浴後、「道の駅津島やすらぎの里」に移動したが定休日で駐車場にも入れなかった。やむを得ず、宇和島市内の「道の駅きさいや広場」に行った。

 

(本日の一言)

数週間前、毎朝聴いているラジオ(RBC-iラジオ)の情報番組で、「ジュンク堂那覇店のエグゼクティブプロデューサーである森本氏が「自分とか、ないから。」という本を紹介されていた。東大卒の自称こじらせニートであるしんめいP氏著で、京大名誉教授の鎌田東二先生が監修された本である。

この本では「空海」(弘法大師)や親鸞、私の好きな老荘思想の「老子」「荘子」に加え、「ブッダ」(お釈迦様)などの教えである東洋哲学が超訳されている。面白すぎて、あっという間に読み終えてしまった。

題名の「じぶんとか、ない。」と言うのは、「無我」のことである。ブッダが「諸法無我」の哲学から「人生の苦しみの原因は自分」であることを解明したのだが、その意味について面白おかしく説明されている。

私は一年半前に予後が悪い「すい臓がん」の疑いが強いと診断され、半分以上切除する手術を受けた。しかしお釈迦様の教えのおかげで、死を恐れることはなかった。苦しみのある方は、ぜひ「じぶんとか、ない。」や「人生後半、そろそろ仏教にふれよう」(古舘伊知郎著)などのわかりやすい本を読まれたら、心が安らぐかもしれない。

 

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